「心の渇きには、旅がある」
こどものころ、青春18切符※のことを「18歳だけが使える切符」と勘違いしていました。
「18歳の青春を応援してくれるなんて、なんて素敵なんだこの世界!」
ものすごく感動していました。
※青春18切符おさらい
旅客鉄道会社全線(JR線)の普通列車(快速列車も含む)が1日乗り放題となる、販売および使用期間限定の特別企画乗車券(トクトクきっぷ)である。
1枚で、利用可能期間中の任意の日に5回(人)まで利用できる。5回(人)分の使い方については、きっぷの有効期間内であれば使用者の裁量に任されており、利用期間内であれば、1人で使用することも、1日に5人で同時に使用することも可能である。
しかしその後、20代になっても30代になっても、
青春18切符を使うことはちーっともありませんでした。
使おうとも思わなかった……。
あんなに想いを馳せた青春18切符の存在が忘れ去られた。
夢にあふれていたわたしの少女時代さえ忘れた気がして、
35歳の夏、ようやくデビューしてみました('◇')ゞ
わたしは、東京から大阪の移動に使いました。
どうせならノスタルジックに行こうぜ! と思い、
「スマホ使用不可!」
なんて、制限を設けてみました。
券売機で簡単に購入し、
東京・町田から、わたしの居住地大阪まで、9時間ほど。
さあ出発です!
町田~
駅員さんに青春18切符を見せると、表情がほのかにほころんだ気がしました。
そんな暖かさが嬉しかった。
スマホ縛りをしているから道がさっぱりわからないけど、
JR横浜線に乗ってとりあえず横浜、熱海に向かいます。
新横浜、横浜~
通勤ラッシュと重なり人が多い!
新横浜から熱海にいけないのとか、わからないことだらけだけど、電車でGO!でよく遊んだ快速アクティーに乗ってテンションをあげながら熱海を目指します。
熱海~
社畜感がなく観光客でにぎわっており、ひとりでいることのわびしさを痛感。
でも、熱海駅の売店ではキンメダイせんべいとか旅情感あるものが売っていて、わくわく。
おなじく旅情感満載の電車「踊り子」が停車していますが、青春18切符ではただ乗りできないよう。
道もわからなくなってきて、軽く舌打ち。
気を取り直して、名古屋に向かいます!
浜松など静岡県内~
新幹線を使えばあっという間で通り過ぎていく富士山。
思えば、「フジヤマジャパン!」っていつも感動していた。
……静岡は長いッス。
普段は全くでしゃばらないあの清楚な静岡が、ここにきてまさかの存在感。
いい詩がネットにあったのでここに紹介します。
「走っても
走っても
静岡県
みつを」
名古屋~
気が付けばもう夕方。さんざん電車に乗ってまだ名古屋かよ大阪に着くのはいつになるのと恐ろしくなる。
いっそ新幹線使って帰りたいと頭をよぎる。
しかし新幹線がクソ高く「ぼったくり」と悪態をつく。
でも名古屋名物が食べたくなる。
名古屋グルメはうまうまだった( *´艸`)
京都に向かいます!
大垣・米原~
二文字漢字が続く。で、ここは何県? 岐阜はどこ? とぼんやりと思う。
方言が新鮮で、少しなまりのある高校生たちの姿を見ると、淡いノスタルジートレイン。
青春18切符を使わなければきっと行くことのないこの場所が遠く、尊かった。
京都までもうすぐ!
京都~
ここまで来ると道に迷うことのない安心さから、青春18切符旅が名残惜しくなる。
というより京都など何回も行っているため、ただの通勤列車気分になっていた。
大阪~
ようやく到着! とっくに夜になってました……。
やってみた感想:
駅員さんがやさしい、静岡が長い、スマホがないと不安、
本は余裕で読破できる、青春18切符同志を見抜ける、などなど。
特に人様の心に残るようなもんはありませんでした(笑)
成功体験もなければ、思ったほどの達成感もなく。
しかし、たくさんの人とすれ違い、路線の果てしなさを知りました。
一日をかけて東海道を通り過ぎることで「今日」という実感がありました。
あわただしい日々の中で、もしいつか、あなた様の心が渇いてしまうときがあったら、一度はやってみてください。
しんどいけど(笑)
●最後まで読んでくださってありがとうございます。
前回は10名様のご訪問、総スター数は25になりました( *´艸`)
ありがたき幸せです。
次回更新は3月13日(水)で、
「10代女子が競馬にのめりこんだ日々(仮)」
を予定しております。これってノスタルジーになるのか……。
なんやかんやで2019年も3か月目突入ですね!
花粉症はうんざりですけど、春の暖かさは気持ちが良いですね。
今週も頑張りましょう(^^♪
いちごとうふ:ふじいかふみ